行政書士の西森です。相続手続きにおいて、行政書士の役割は非常に重要です。その中でも「職務上請求」は、依頼者にとって大きな助けとなる制度です。ただし、この強力なツールを適切に使用するためには、行政書士自身が倫理研修や人権研修を受け、高い倫理観を持つことが求められます。
なお、この「職務上請求書」を取り扱えるのは、行政書士を含む8士業(弁護士、司法書士等)のみに与えられています。
この記事では、職務上請求の概要と、相続手続きにおけるメリットについて詳しく解説します。
職務上請求とは?
職務上請求とは、行政書士が業務上必要な戸籍謄本や住民票などの公的書類を、役所から直接取得できる制度です。これにより、相続手続きに必要な書類を迅速かつ正確に入手することができます。
依頼者が直面する課題とその克服
相続手続きを進めるにあたり、多くの依頼者は以下のような課題に直面します。
- 時間と手間の問題
相続に関する手続きは複雑であり、必要な書類を自ら集めるのは非常に手間がかかります。特に、遠方の役所に書類を請求する場合や、複数の市区町村にまたがっている場合、手続きに多大な時間がかかります。職務上請求を利用することで、行政書士が一括して書類を取得できるため、依頼者はこの手間を省くことができます。 - 書類取得の難しさ
必要な書類がどこにあるのか、どのように請求すればよいのかがわからない依頼者も多いです。また、請求手続きに不慣れな場合、書類を取得するまでに時間がかかり、手続き全体が遅延するリスクがあります。職務上請求を通じて、行政書士は正確に必要な書類を迅速に取得できるため、依頼者は手続きの遅延を避けることができます。 - 正確性の確保
書類の内容に誤りがあると、相続手続きがスムーズに進まないことがあります。また、昔の戸籍を集めていく中で、手書きの戸籍が読み取りにくかったり、書いている文言の意味が分からなかったりすることもあります。職務上請求では、行政書士が専門的な知識を持って書類を確認し、正確な書類を取得できるため、手続きの正確性を高めることができます。
職務上請求の他の利点
職務上請求には、依頼者が抱える課題の克服以外にも、以下のような利点があります。
- プライバシーの保護
行政書士が書類を直接取得することで、依頼者が自ら出向く必要がなくなり、個人情報が漏れるリスクを低減できます。これにより、相続に関する情報が第三者に漏れる心配が少なくなります。 - 法的手続きの迅速化
相続手続きは法的な期限が定められていることが多いため、迅速に手続きを進めることが求められます。職務上請求を利用することで、必要な書類を短期間で揃えることができるため、相続手続き全体をスムーズに進めることが可能です。 - 依頼者の精神的負担の軽減
相続手続きは感情的にも大きな負担を伴います。特に、親族との調整や複雑な手続きを進める中で、書類集めが重荷になることがあります。行政書士が職務上請求を通じてこれらの手続きを代行することで、依頼者は精神的な負担を軽減することができます。
まとめ
職務上請求は、相続手続きにおいて依頼者が直面する様々な課題を克服し、手続きをスムーズに進めるための強力なツールです。時間と手間を省き、正確かつ迅速に必要な書類を取得することで、依頼者に安心感を提供します。行政書士の専門的なサポートを受けることで、相続手続きが円滑に進み、依頼者が安心して手続きを進められるようになると思います。
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